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2013年11月

レオパのモルフについて・・・その1

今回は、ヒョウモントカゲモドキのモルフ解説ということで・・・最近、色々な方から質問を受けることも多いので、ブログで一度まとめて書きたいと思ってたのを、一挙掲載です。
長いので、3回くらいに分けようと思ってるんですが、第一回目は、高校生物レベルの遺伝の基礎について・・・分かってる方は飛ばして頂いて、分かってない方はモルフの話をする為に必要な知識ですので、退屈かも知れませんが、読んで、理解して下さい。

【遺伝、染色体、相同染色体、遺伝子、遺伝子座、対立遺伝子】
 基本的にオス、メスで生殖する生物(レオパを含め、ほとんどの高等生物)は、身体の細胞一つ一つに、染色体を複数(人間は23対46本で、レオパは調べられていないので不明ですが、複数であることは確実です)持っていて、染色体の最小の1セットをゲノムと言い、生物学では「n」で表し、ほとんどの生物は2セットのゲノム(人間は2n=46ですが、植物や魚類などは3セット=3n、4セット=4nを持つものも存在します)を持っています。
 生殖時には減数分裂という特別な細胞分裂を行い、2nの細胞からnの1セットのゲノムを持つ生殖細胞胞(精子か卵子)を作り、その生殖細胞が合体することによって、2nの新しい子供が出来、親の染色体を1セットずつ引継ぎ、形質等を引継ぐことを遺伝と言います。
もともと1セットのゲノムには、ほぼ決まった位置に、その生物に必要な遺伝情報があり、ほぼ同じ大きさ、同じ形の対になる染色体を相同染色体と呼びますが、減数分裂を行う際に両親から受け継いだ2nのゲノムをシャッフルして、新しい組み合わせのnのゲノムを作ります。
 相同染色体には、ほぼ同じ位置に遺伝子のある場所である遺伝子座があり、同じ遺伝子座にあって、違う形質を表す遺伝子を対立遺伝子と呼びます。

【遺伝子型、表現型、ホモ接合、ヘテロ接合】
 同じ形質を表す遺伝子は、通常1対の相同染色体に一つずつあるので、生物は2個の遺伝子を持つことになり、その遺伝子の組み合わせを遺伝子型と言い、遺伝子をAaで表すと、A/AA/aa/a、という三通りの組み合わせ(対立遺伝子が複数ある場合もあるので、その場合は組み合わせの数は増えます)があることになります。
 また、その遺伝子型によって生物の形質等が決定される訳ですが、表に現れる形質を表現型と言い、通常は”[ ]”で括り、[A][a]、と表します。
 相同染色体にある1対の遺伝子の組み合わせについて、同じ遺伝子同士の組み合わせの場合(A/Aa/a)をホモ接合(或いは単に、ホモ)と言い、違う組み合わせの場合(A/a)をヘテロ接合(或いは単に、ヘテロ)と言います。

【優性遺伝、劣性遺伝】
 ホモ接合の場合は、通常はA/A[A]a/a[a]のように遺伝子と表現は同じになる訳ですが、ヘテロ接合の場合に表現が現れる方の遺伝子を優性遺伝子と呼び、表現の現れない方の遺伝子を劣性遺伝子と呼び、A/a[A]となる場合は、Aが優性遺伝子で、aが劣性遺伝子となりますが、あくまで表現が出るか出ないかで優性、劣性という名称を使うだけで、優性遺伝子が優れていて、劣性遺伝子が劣っているという意味は無く(英語では優性=dominant=現れる、劣性=recessive=隠れる、という本来の意味の語句になります)、優性の遺伝子による遺伝形式を優性遺伝と呼び、劣性の遺伝子による遺伝形式のことを劣性遺伝と呼びます。
 尚、遺伝の話をするときには、生物の分野によっても違う決まりがあるのですが、ここでは、優性遺伝子を大文字で記載し、劣性遺伝子を小文字で記載することとし、組み合わせの間を”/”で区切ることとして、優性遺伝子を前に書くことにします。
 また、変異した劣性遺伝子に対して、優性に働く、通常若しくは野生(大多数を占める)の遺伝子をノーマル(遺伝子)と呼ぶ場合もあり、ノーマル遺伝子と劣性遺伝子のヘテロの場合にN/aと表す場合もあります。

【メンデルの優性の法則】
 遺伝子に優性、劣性の性質があることを優性の法則と言いますが、例外も多く、今では法則とまでは言えないとまで言われますが、基本的なことは正しいので覚えておく必要はあります。
 対立遺伝子に優性と劣性の性質があった場合、優性ホモ(A/A)と劣性ホモ(a/a)を交配すると、次世代(F1)はすべてヘテロ(A/a)となり、Aが優性遺伝子の場合は、表現型はすべて[A]となって、劣性の形質は現れないこと、すなわち遺伝子には優性と劣性の性質があるということを「優性の法則」と言います。
 単純に優性と劣性が決まっている場合もありますが、例外も多く、優性の表現が両方出て、優性ホモ(A/A)と優性ヘテロ(A/a)とが違った表現になる場合を共優性(若しくは不完全優性)と呼んだり、一つの劣性遺伝子に対しては優性だが、別の優性遺伝子に対しては劣性となる場合(同じ種類の遺伝子について複数の変異がある場合は、複対立遺伝子と言います)などもあり、例えば人間の血液型は、AとBはOに対して優性ですが、A、B間では優劣は無いということになります。

【メンデルの分離の法則】
ヘテロ接合で優性の表現型のF1(A/a)同士を交配した場合に、
 A/a × A/a 25% A/A [A]50% A/a [A]25% a/a [a]
となって、F1では現れていなかったが、F1の親世代が持っていて表れていた劣性の形質が、次世代に表れることを「分離の法則」と言います。
 すなわち、配偶子の1セットのゲノムを作るときに、相同染色体の片一方ずつが正確に分けられて次世代に受け継がれ、受け継がれた遺伝子は混ざることなく分離して、また次世代に受け渡されるという原理です。

【メンデルの独立の法則】
 減数分裂の際には、両親からもらった2セットのゲノムはシャッフルされるのですが、その時には、染色体の分け方は他の染色体に影響されないという原理で、別の染色体の遺伝子座にある別の遺伝子は独立して、別の染色体にある別の遺伝子の動向に関係なく配偶子に分配される、ということです。
 この独立の法則は、別の染色体に乗った遺伝子について当てはまり、同一の染色体にある複数の遺伝子については、独立ではなく一緒にセットになって遺伝します。この場合には、染色体を配偶子に分配する減数分裂とは別の機構(減数分裂中に起きますが別のシステムで、染色体の組換えによる遺伝子の乗換えと言い、セットになった遺伝子は連鎖していると言います)によって、他の遺伝子と一緒になったり分離したりします。

 下の図は、ヒトの染色体と遺伝子の関係を表したものですが、レオパでも複数の染色体があり、同じような感じと考えられていますので、モルフの遺伝子が入ってるのをイメージとして書き入れてみました。

20110531113701

 同じような大きさの染色体が1対ずつあり、それが独立してバラバラに次世代に受け渡されるので、ヒトの場合、2の23乗の組み合わせが出来る(実際には、一対の染色体の間でも組み換えが起こるので、ほぼ無限の組み合わせが出来る)ことになります。

次回は、レオパの基本的な単独モルフについてです。

それでは、また

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