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2013年12月

レオパのモルフについて・・・その3

第三回目は、コンボ(コンビ)モルフについて・・・レオパのモルフ(他の生物でも同じですが)をややこしくしている原因ですが、遺伝について分からなくなった場合には、優性遺伝と劣性遺伝を別々に考えて、多因子遺伝モルフは、少し色が薄くなるとか、特徴が薄まるというように考えて無視し、基本モルフに戻ると分かりやすくなると思います。
また劣性遺伝のコンボは、単純に足していけばコンボになるという訳ではなく、計画的な繁殖でコンボにすることが必要で、例えば、トレンパーアルビノとブリザードを組み合わせてトレンパー・ブレイジングブリザードを作る時に、トレンパーアルビノとブリザードのペアから始めた場合、

ブリザード(bz/bz N/N)×トレンパーアルビノ(N/N ta/ta)=100%ノーマル・ダブルヘテロ・ブリザード・トレンパーアルビノ(N/bz N/ta)
一世代目はすべて、見た目はノーマル表現のダブルヘテロになります。

ノーマル・ダブルヘテロ・ブリザード・トレンパーアルビノ(N/bz N/ta)×ノーマル・ダブルヘテロ・ブリザード・トレンパーアルビノ(N/bz N/ta)=6.25%(16分の1)トレンパー・ブレイジングブリザード(bz/bz ta/ta)、18.75%(16分の3)ブリザード(bz/bz N/ta or bz/bz N/N)、18.75%(16分の3)トレンパーアルビノ(N/bz ta/ta or N/N ta/ta)、56.25%(16分の9)ノーマル(N/bz N/ta or N/bz N/N or N/N N/ta or N/N N/N)
ダブルヘテロ同士をかけて目的のブレイジングブリザードが出る確率は、16分の1=6.25%という確率なので、1ペアから1年に一匹出るかどうかという感じで、二つの劣性遺伝のコンボでこの確率なので、多重モルフの大変さがよく分かると思います。勿論、確率なので、一匹目で出る可能性も、ないことはないですが・・・図で表すと、下の図のようになります。
Iden07

前回、ポッシブルヘテロの解説をするのを忘れてたので補足しますが、上の図で「ポッシブルヘテロトレンパーアルビノ66%」「ポッシブルヘテロブリザード66%」と書いてある部分で、確率的に劣性遺伝の遺伝子が入ってる可能性が66%(3分の2)という意味で、劣性遺伝のヘテロはノーマルと区別出来ない為、入ってるかどうかはどちらか(ヘテロかノーマルか)しかなく、66%分だけ劣性遺伝子が入ってるという意味ではないです。
ヘテロとノーマルをかけた場合は、劣性遺伝子が入る確率は2分の1になるので、ポッシブルヘテロ50%になります。

また、マックスノーとアルビノの組み合わせ(マックスノー・ヘテロトレンパーアルビノ)の場合には、下図のようになり、考え方としては、優性遺伝のマックスノーと劣性遺伝のアルビノを分けて考えると理解しやすくなると思います。(マックスノー同士をかけた場合は、4分の1がスーパーマックスノー、4分の2がマックスノー、4分の1がノーマルとなる訳ですが、それぞれについて、そのうちの4分の1がアルビノ表現となり、4分の3がアルビノについてノーマル表現となるということです)
Iden05

優性遺伝のコンボの場合は、次世代ですぐに表現が出るので、マックスノーとエニグマをかけた場合は、下図のように、すぐにマックスノー・エニグマが出るのが分かると思います。
Iden06


【コンボ(コンビ)モルフ】
色々な量的モルフ、劣性遺伝モルフ、優性遺伝モルフを組み合わせて、多彩なモルフが作り出されていて、コンボ(又はコンビ)モルフと呼ばれ、特別な名前を付けられているものも多く、混乱のもとではありますが、基本的なモルフは上記の通りなので、どのモルフの組み合わせを何と呼ぶかを理解する必要があります。

2種類のモルフを組み合わせたものは、トレンパーアルビノ・マックスノー、タンジェリン・ベルアルビノ、エクリプス・ストライプ、スノー・ジャイアント等、名前を組み合わせたものが多い(名前の順番については、優性を前にするとか大まかなルールも無いことはないですが、慣習や言いやすさなどに従って適当に付けられているのが現状ですので、アルビノマックスノーが正解でマックスノーアルビノは間違っているとか言うのはナンセンス)ですが、3種類以上のコンボになると名前を並べるのも大変なので別の名前を付けられますので、そのうちの代表的なものを紹介します。尚、コンボモルフの括弧書きは遺伝記号ではなく、一般的な英語表記です。

[アプター
(APTOR)
(A)トレンパーアルビノ+(P)トレンパーパターンレス+(TOR)トレンパーオレンジで、表現としては、全体的にパターンレスでオレンジのアルビノになりますが、量的モルフの部分で個体差が大きく、アプター同士を交配してもジャングルやストライプの表現になる場合も多いです。
劣性遺伝と量的モルフのコンビで、アプターとノーマルを掛けると、厳密には、ノーマル・ヘテロトレンパーアルビノ(パターンレスとオレンジは劣性遺伝ではないので、ヘテロにはならない)となるのですが、便宜上ノーマル・ヘテロアプターと呼ぶ場合が多いです。

[ラプター
(RAPTOR)
アプターにエクリプスを加えたもので、(R)オールレッドアイで全身オレンジ、パターンレスの綺麗なモルフですが、これもアプターと同様個体差が大きく、エクリプスについてもスネークアイのものもいるので、表現及び繁殖の結果についても様々な個体が含まれます。
量的モルフを含むモルフについては、一度ノーマルと掛けてしまうとせっかく集めた細かい変異が散ってしまい、親と同じレベルの個体を作り出すのは、同じようなインブリードの作業、苦労が必要になり、困難になってしまいますが、パターンレスでないバンド模様のものをバンデット・ラプターとするのは、個人的には抵抗があるので、厳密に言えば、トレンパーの作出したラプターと同等の完璧に近いものしかラプターを名乗ってはいけないと考えます。
また、トレンパーパターンレスはノーマルのバンド模様とかけた場合には、バンド模様になると思われますので、劣性遺伝と同じように考えると、ヘテロラプター同士をかけた場合の出現率は下図(但し、現実には、トレンパーパターンレスは単純な劣性遺伝ではないので、トレンパーパターンレスがホモになっている場合でも、ジャングルやリバースストライプが含まれると考えて下さい)のようになり、ラプター・パターンレスとなる場合は64分の1(トレンパーパターンレスを考慮すれば、それ以下です)になって、個人で繁殖して出すには、非現実的な数字(同じペアで10年繁殖したとしても、ラプター・パターンレスが出るのは1匹で、そのうえ半分以上は、ただのジャングル、ストライプやノーマル・・・但し、あくまでも確率なので、1匹目がラプター・パターンレスということも有り得ますが)だというのが実感出来ると思います。
Iden08

片方がラプターだった場合(ラプター×ヘテロラプター)には、下図のように、ヘテロラプター同士を組み合わせた場合より、かなり現実的は数字になりますね。
Iden09

[レーダー
(RADAR)
ラプターのアルビノ部分をベルアルビノに置き換えたもので、ベルアルビノの特性から、ラプターよりも明るいレッドアイとなります。
厳密に言えば、ラプターと同じくパターンレスのものだけがレーダーだと思いますが、バンド模様のもの(ベルアルビノ・エクリプス)もレーダーと呼ばれる場合が多く、世界的にもレーダーで通ってしまっているので、個人的には、バンド模様はレーダー・バンデット、パターンレスはレーダー・パターンレスと呼ぶのがいいのでは、と思います。

[タイフーン
(Typhoon)
ラプターのアルビノ部分をラスベガスアルビノに置き換えたもので、ラスベガスアルビノの特性からか、白っぽい個体が多いように思います。

[ブレイジングブリザード
(Blazing Blizzard)
アルビノとブリザードの組み合わせで、3系統のアルビノについて存在しますが、名前は3系統別々につけられている訳では無く(但し、厳密には、アルビノの系統を表記すべきなので、トレンパー・ブレイジングブリザード、ベル・ブレイジングブリザード等と表記するのがいいと思います)、すべてブレイジングブリザードとされ、3系統とも特別な表現の別も無く、すべて全身が白いレオパ(但し、ブリザード自体が完全に白いモルフではないのと、アルビノがT-ではないので、アルビノ化しても黄色が発色する場合が多いです)になります。

[ディアブロブロンコ
(Diablo Blancos)
ラプターとブリザードの組み合わせになり、ソリッドレッドアイで全身白色のレオパで、白系の最高峰とされますが、これにスーパーマックスノーが加えられれば、完璧になる(2013年の時点ではまだ出ていません)と思われます。

[ハイビノ
(Hybino)
ハイポとアルビノの組み合わせで、これも3系統のアルビノで作出されていますが、特に別の名前が付けられている訳ではなく、トレンパー・ハイビノ、ベル・ハイビノ、ラスベガス・ハイビノと言われます。

[サングロー
(Sunglow)
アルビノ・スーパーハイポタンジェリンのことで、3系統のアルビノについて、トレンパー・サングロー、ベル・サングロー、ラスベガス・サングローと呼ばれるものや、スーパーハイポタンジェリンの独自系統により、別名が付けられている場合もあります。

[クリームシクル
(Creamsicle)
スーパーハイポタンジェリンのマックスノーとされますが、現在のマックスノーは、ほぼハイポ、ハイイエロー状態なので、クリームシクルというモルフ名を使うことはあまりないです。逆に黒っぽい、ドットの多いものをワイルドタイプと言ったりします。

[エンバー
(Ember)
パターンレスとエクリプスの組み合わせとされる場合もありますが、マーフィパターンレスとラプターの組み合わせのことを指す場合が多いです。

[ギャラクシー
(GALAXY)、トータルエクリプス(Total Eclipse)
スーパーマックスノーとエクリプスの組み合わせのモルフをトータルエクリプスとして、トレンパー氏の作出したアビシニアンが入っているとされるものをギャラクシーとするのが定説になりつつありますが、遺伝的にはほとんど同じということで、トータルエクリプスのこともギャラクシーと呼ぶブリーダーも多いです。特徴としては、スーパーマックスノー自体が完全ソリッドアイなので、エクリプスが入ってるかどうかを目の状態では判別出来ない為、その他のエクリプスっぽい特徴で判別するしかない訳ですが、鼻先が白抜けするとか、手足や身体のサイド部分が白くなり、ドットは細かくなる傾向があると思いますし、2013年にうちで一匹だけハッチした時に、ハッチした時の感じが普通のスーパーマックスノーと明らかに違う(下の画像は、2013年にうちでハッチしたスーパーマックスノーのハッチ時の写真で、すべて別の個体ですが、右下の個体だけがギャラクシーです)と感じました。

C13tile


[ステルス]
マックスノー・レーダーのことだと思っていたのですが、そこにエニグマが入らないとステルスとは呼ばないという説(確かに、マックスノーとラプターのコンボはマックスノー・ラプターで、マックスノー・レーダーが、なぜステルスなのかという疑問はあり、エニグマが入ったコンボに別名が付けられることが多いので、成程という部分はありますが、海外のほとんどのサイトではステルス=マックスノー・レーダーとなっています)があります。

[ビー(Bee)
エニグマとエクリプスの組み合わせで、Black eye Enigma の略とされます。

[ブラックホール(BlackHole)
ビーにマックスノーを加えたものです。

[ノヴァ(Nova)
エニグマとラプターの組み合わせです。

[ドリームシクル(Dreamsicle)
(エニグマ+ラプター(ノヴァ))+マックスノーのコンボです。

[スーパーノヴァ
(SuperNova)
(エニグマ+ラプター(ノヴァ))+スーパーマックスノーのコンボになります。

[ダルメシアン]
エニグマ+スーパーマックスノーのコンボです。

コンボのモルフについては、どんどん新しいものが出てきますので、すべては書ききれないのですが、だいだいこんな感じでどうでしょうか?

前回にも書きましたが、見慣れないモルフ名が出てきた時は、コンボモルフの別名か、選択交配で出したブリーダー特有の名前か、ただの特徴を表したもの(勿論、全く新しいモルフのことも有りますが)と考えるのが分かりやすいと思います。

三回シリーズで、結構な量になってしまいましたが、コンボモルフについては、最新モルフに全然追いついてないような感じですね・・・皆さんも、勿論、私も、もっともっと勉強して、最新情報を吸収していかないと・・・ですね。

それでは、また

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レオパのモルフについて・・・その2

第二回目・・・レオパの基本的なモルフについての解説ですが、現在、判明しているモルフについて、2013年時点での多数説であり、ここに書いたことが絶対と言う訳ではなく、私個人の見解も含んでいることと、少数意見等もあること、また、新たな発見等により変わる可能性もあることと、すべてのモルフを網羅している訳ではないので、質問は受け付けますが「これが無いやん」とか「これは違うやろ」とかの突っ込みは無しで、お願いします。
名称の後の括弧書きには、一般的(VMSのサイトに記載されているもの)に使われているレオパの遺伝子記号を書いていますが、量的モルフと確定しているものや遺伝形式について不明なものは記号はありません。


【選択交配、量的モルフ、多因子遺伝モルフ】
ある特徴(オレンジ色が出ている等)が出ている個体を選択して交配することによって、より特徴が顕著な個体を作りだすことや、それによって作り出されたモルフを「選択交配による量的モルフ(多因子遺伝モルフ)」と言い、その特徴を表す微小な複数の変異遺伝子を集めたものとされています。
確立された同系統の量的モルフ同士を交配すると、高い確率で同等のモルフが出るとされますが、一遺伝子の変異による単純な劣性遺伝や優性遺伝のように、確実に次世代に伝わるものとは言えず、一度、違う系統やノーマルと交配すると、せっかく集めた多因子が分散してしまい、また同じように集めるためには、インブリード(同系統内での近親交配)を繰り返す必要があります。
また、モルフ名として表記される場合や、その個体の特徴として(例えば、たまたまタンジェリン色の強い個体のことを、遺伝するかどうかは別にして、タンジェリン~と呼んだりします)表記される場合もあります。
下の図は多因子遺伝のイメージを図にしたものですが、①は同系統の多因子遺伝モルフを掛け合わせてより特徴の強いものを作出するイメージで、②は多因子遺伝モルフとノーマルを掛け合わせた時に特徴が薄まるイメージです。

Iden10

[ハイイエロー]
全体的に黄色が強いモルフ(累代交配を重ねると、勝手に黄色くなると言われます)

[ハイパーザンティック]
黄色と黒のコントラストを強調する方向で、選択交配されたモルフ(JMGの系統だけのようです)

[オレンジ,タンジェリン(or,tg)
オレンジ色が強いモルフ(ブラッド、レッド、チリレッドなどと呼ばれるものもこの範疇で、各ブリーダーが独自に、系統に名前を付けたものです)

[キャロットヘッド
(ch)
頭にオレンジが出るモルフ

[キャロットテール
(ct)
シッポにオレンジが出るモルフ(単に、シッポの根本がオレンジになったものは、タンジェリンとされる場合が多いですが、シッポのほぼ100%がオレンジになった品質のものもあります)

[ハイポ(ハイポメラニスティック)
(hy)
黒い色素が少なくなり、ドットが少ないモルフ(ハイポの基準が、ドットの数とされる場合もありますが、単に黒い色素がうすくなっているものや、ドットが少ないだけでもハイポとされる場合が多いです)

[ハイタン(ハイポタンジェリン)]
ハイポでオレンジの出たモルフ(最近はただのハイポよりハイタンの方が一般的で、ハイポは他のマックスノーなどとコンボになった時に、ハイポ・マックスノー等として使われる場合が多く、ただのハイポもハイタンと表記されている場合が多く、キャロットテールと併せて「HTC」と表記されるものもあります)

[スーパーハイポ(スーパーハイポメラニスティック)
(hy)
ハイポよりもドットが少なく、身体にはほとんど出ないモルフ(ただのハイポとは違い、優性遺伝とする説もあります)

[スーパーハイタン(スーパーハイポタンジェリン)]
スーパーハイポにタンジェリンが出たモルフ(ハイポと同じく、最近ではスーパーハイポという表記はあまり見られず、スーパーハイポタンジェリンと表記される場合が多く、「HTC」と同じく「SHTC」と表記されるものもあります)

[エメリン]
身体に緑色が出るモルフ(どこが緑?っていう感じですが、「欧米人と日本人の目の構造が違う」とか「緑色の定義が違う」等と言われるほど微妙な表現型で、これも選択交配によるものであるとされていますが、単に緑が出るものをエメラルドとして、ハイポタンジェリンのエメラルドをエメリンとする説もあります)

[ラベンダー]
身体若しくはシッポに、紫色が出るモルフ(エメリンと同じく微妙なモルフですが、ベビー時には紫色に見えても、成長すると消えてしまうということも多く、遺伝するかどうかも不確実なので、個体差の範囲であって、モルフとまでは言えないと思われます)

[TUGスノー]
全体的に白いモルフ(アーバンゲッコーが、野生の個体より選択的に白い個体を選別して交配し、作りだしたとされていましたが、優性遺伝として確立しているマックスノーと互換性があると分かり、優性遺伝とされる場合もあります)

[ラインブレッド・スノー]
全体的に白いモルフ(アーバンゲッコーとは違うブリーダーが、選択交配により作りだした量的モルフとされていますが、その持っている多因子遺伝子にマックスノーと互換性のある優性遺伝子を含むとされる場合もあります)

[ハイパーメラニスティック]
全体的に黒いモルフ(ブラックベルベット、ブラックパール、ブラックスター、チャコール等複数の系統が知られていますが、劣性遺伝する遺伝子を持つとされるものや、選択交配によるもの等さまざまで、完全に遺伝する黒いレオパはまだ出ていません)

[ジャングル]
模様が通常のバンド模様ではなく、乱れた模様になるモルフ(優性遺伝とする説や劣勢遺伝とする説もありますが、ジャングル同士を交配しても必ずジャングルになるとは限らないため、微小変異を集めた多因子モルフではないかと考えます)

[ストライプ]
模様がライン状になるモルフ(より太い模様となるボールドストライプやレッドストライプを含め、確実に遺伝して次世代が100%ストライプとなるとされる系統もあるようですが、ジャングルと同じように確実にストライプが出る訳ではないので、選択交配による多因子的なモルフであると考えますが、劣性遺伝とする説も根強いです)

[バンディット]
ボールドストライプと同じような感じで、鼻先に横にバンド模様がヒゲのような感じで出るモルフ(身体がバンド模様のバンデット=
Bandedと混同される場合が多いですが、こちらはバンディット=Banditのことで海賊のことだそうです)

[トレンパーパターンレス]
パターンレスストライプとも言われ、アプター、ラプターに入っているパターンレスのモルフ(複数の優性若しくは劣性の遺伝子を組み合わせた選択交配によるとされ、ジャングルやストライプの変異を複数持っていると思われ、完全なパターンレスになるものは少なく、頭に模様が出たり、身体にも模様が残るものも多く、次世代にリバースストライプなども出たりします)


【劣性遺伝のモルフ】
単一の遺伝子の変異により、劣性遺伝するモルフで、表現の出ているものとノーマルをかけると、次世代はすべてヘテロになり、ヘテロはそのモルフについてノーマル(ノーマル遺伝子の表現型が優性)となり、そのヘテロ同士をかけると、孫に一世代目と同じ劣性遺伝の表現が、隔世遺伝という形で出ますので、メンデルの分離の法則に従って、劣性遺伝の遺伝子が薄まったりすることは無く、次世代に確実に伝わり、遺伝子がホモになった場合に確実に出るものです。
同じ遺伝子について違う変異が起きた場合には、複対立遺伝子と呼ばれ、同じ遺伝子の変異なので、互換性がある(違うモルフと思われるものを交配した時に、次世代で両親のどちらかと同じような表現が出る場合に、その違うと思われたモルフは互換性があるとされ、同じ遺伝子に変異があるものと考えられる)とされますが、ボールパイソンなどでは複対立遺伝子のある多数のモルフが見つかっていますが、レオパではまれで、完全に複対立遺伝子であると検証されているものはありません。(スノーの系統やメラニスティックの系統にあるとされますが、全く同じと考えられるものもあるようで、確定はされていないことと、多因子遺伝の中にも複対立遺伝子はあると考えられますが、未検証です。)
また、劣性遺伝(優性遺伝もですが)は遺伝子の変異による為、通常はそんなに頻繁に発生するものではないので、野生個体などから新たに発見される場合もありますが、繁殖している中で簡単に発生することはほとんど無く、ここに書いてある確実に検証されているモルフ以外に、聞きなれない、見慣れないモルフ名があった場合には、基本モルフを組み合わせたコンボモルフに名前を付けたか、ライブレッドによるブリーダー独自の命名か、その個体に出た遺伝しない(検証されていない)特徴に名前を付けた、と思ってほぼ間違いないです。
図は、劣性遺伝のトレンパーアルビノの遺伝パターンですが、一枚目は、ヘテロ同士を掛け合わせた場合で、二枚目は、ホモ(トレンパーアルビノ)とヘテロを掛け合わせた場合です。

Iden03  Iden04


[アルビノ
(トレンパーアルビノ=ta,ベルアルビノ=ba,ラスベガスアルビノ=lv)
レオパのアルビノは、T+(ティー・プラス/T=チロシナーゼ)アルビノとされ、メラニン色素が合成される段階で必要とされる酵素のチロシナーゼが存在するアルビノで、飼育や発生する時の温度などによりメラニンが生成される可能性があり、T-(ティー・マイナス)の完全にメラニンが生成されない真性アルビノではないので、アルビノであっても、完全な白ではなく、茶色やグレーの表現となる場合が多いです。
現在流通するレオパのアルビノは、トレンパー(テキサス)アルビノ、ベル(フロリダ)アルビノ、ラスベガス(レインウォーター)アルビノの3系統(ほとんど流通はしないですが、レイハインと言う第4の系統があるとされますが、前述の3系統と違うのか未検証です)があり、すべて劣性遺伝するT+アルビノで、相互に互換性は無く(違う系統のアルビノを掛けても、次世代ではダブルヘテロとなり、見た目はアルビノにはならない)、体色や目の特徴がそれぞれ微妙に違うのですが、個体を見ただけで「~っぽい」とすることは可能でも、完全に判別することはかなり難しいです。
尚、名前の括弧書きは別名で、通常は括弧書きの前の名前で呼ばれることが多いですが、ラスベガスアルビノについては、日本ではレインウォーターアルビノと呼ばれることが多いです。

[マーフィパターンレス
(pa)
日本では、リューシ(リューシスティック)と呼ばれることが多いですが、他の生物の品種で使われるリューシとは色素の変異により白くなるものを指し、このモルフはパターンレス(ベビーには独特な網目模様があり、成長するとパターンレスになる)なので、海外ではリューシとは言わずにマーフィパターンレスと呼ばれていて、劣性遺伝します。また、検証結果から、マーフィパターンレスの遺伝子とトレンパーアルビノの遺伝子は、同じ染色体にあると考えられ、二つの遺伝子は連鎖している為、ノーマル・ヘテロトレンパーアルビノ・ヘテロマーフィパターンレスのダブルヘテロ同士を交配しても、遺伝子が独立だった場合のダブルホモ(トレンパーアルビノ・マーフィパターンレス)が出る確率の16分の1(6.25%)よりも低く、約200分の1(0.5%)だったとされています。また、マーフィパターンレスのヘテロの見た目は、完全にノーマルと同じではなく、ドット模様が細かい表現になるとも言われていますが、100%確定な訳ではなく、個体差があります。

[ブリザード
(bz)
これもパターンレスのモルフですが、マーフィパターンレスとは互換性の無い、別の遺伝子の変異とされ、生まれた時から完全なパターンレスで、白っぽいモルフなので、真のリューシとされる場合もあります。成長しても生まれた時と同じくパターンレスのままですが、多少、色が濃くなったり、黄色が発色する場合も多く、完全な白いモルフとは言えないですが、劣性遺伝します。個体によっては、遺伝性では無いランダムな目の変異(エクリプスアイ=目の虹彩部分が一部分、若しくは全体が黒くなったもの)を持つものがいます。

[エクリプス
(ec)
身体の色やパターンには関係なく、目の虹彩が変異し通常の猫目ではなくソリッドアイ(フルアイとかトータルエクリプスとも言われる一様な目、非アルビノはオール・ブラックアイ、アルビノならオール・レッドアイやオール・ルビーアイ)になるモルフで、劣性遺伝しますが、このモルフは浸透率(モルフの表現が現れる率)が低く、遺伝子的には同じであっても、完全なソリッドアイになる時と、虹彩の一部(1%~99%まで様々です)が残ったスネークアイ(ハーフアイ)と呼ばれる目になる場合も多く、少しでもエクリプスになっていれば、遺伝子的にはエクリプスのホモとなりますので、ヘテロエクリプスは完全なノーマルアイです。エクリプスアイ(ソリッドアイ)は、ブリザードにランダムに出るものと、スーパーマックスノーのものと、この遺伝的なエクリプスとがありますが、すべて互換性は無く、通常エクリプスと言えば、劣性遺伝のエクリプスのことを指し、トレンパーエクリプスとも言われます。また、最近では、目の変異だけではなく足や鼻先が白く色抜けする変異を伴う、という説もあります。


【優性遺伝、共優性遺伝のモルフ】
1対ある対立遺伝子の片方が変異し、その変異した形質が表れる遺伝形式を優性遺伝と言いますが、変異遺伝子が優性となる場合は少なく、レオパで確定されているモルフは3種類しかありません。
優性遺伝3種類の内でも共優性となるものは2種類が知られていて、共優性の優性ホモは「スーパー~」と呼ぶのが通常です。
但し、レオパのモルフで共優性では無いにも関わらず「すごい、特別」等の意味でスーパーを冠するモルフ(スーパーハイポタンジェリン等)があるので、注意が必要です。
また、優性遺伝の遺伝子を受け継いでいない個体を「~シブリング」と言って販売されている場合もありますが、これは遺伝形式が優性遺伝と確定していない場合の名残で、もしかしたら変異遺伝子を持つかも知れないとされていたもので、優性遺伝と確定しているモルフについては、シブリングというものは存在せず、優性遺伝についてノーマルと同じ(優性遺伝子を持つ子の兄弟というのと同等)で、シブリングから優性遺伝子を受け継いだ子が(劣性遺伝の隔世遺伝のように)出来ることはありません。

[マックスノー
(Mk)
アザンティック(黄色色素が少なくなった)のモルフですが、ヘテロのマックスノーは、ベビー時には白黒(アルビノの場合は白茶)ですが、成長するにしたがって黄色色素が発色し、アダルトは、ほぼノーマル(ハイイエロー)と区別がつきません。優性ホモのスーパーマックスノーは、ベビー時にはグレーのパターンレスで、成長すると白地に黒いドットが規則正しく並んだ感じで表れ、黄色は発色せず、目はエクリプスのオールブラックアイ(アルビノは暗いオールレッドアイ)になります。スーパーマックスノーのエクリプスアイは、すべての個体が100%ソリッドアイになり、例外は無く、スネークアイやノーマルアイになる個体や、マックスノーでソリッドアイ、スネークアイになる個体も存在しません。マックスノー・シブリングは淡い色合いになると言われていますが、シブリングがノーマルと別表現になることは確認されておらず、これは別のモルフのマックスノー・パステルのことを指しているものと思われます。また、アメリカでは、TUGスノーやラインブレッド・スノーと区別する意味で、
Co-Dominant SnowCo-Dom=コ・ドム=コ・ドミナント・スノー=共優性遺伝スノー)と呼ばれる場合もあります。

[ジャイアント
(Gi)
ノーマルのレオパの体重は最大でも90gぐらいで、成長したものが100gを超え遺伝的に大きくなるモルフをジャイアント(これもトレンパーが発見者ですので、トレンパージャイアントとも言いますが、単にジャイアントとしてもトレンパージャイアントのことです)と言います。共優性遺伝で、スーパージャイアントはジャイアントよりさらに大きくなるとされますが、普通のジャイアントとスーパージャイアントを区別するのは困難で、ベビー時に(遺伝子的に)どちらか分からないときにポッシブル・スーパージャイアントなどと表記することもあります。

[エニグマ
(En)
ベルアルビノの系統から出たモルフで、特徴はかなり微妙でキャリコ(「斑入り」とか「まだら」という意味か?)とか言われますが、通常とは違う身体の模様と、目の虹彩に特徴的な血管が走るとされます。模様の特徴としては、通常のバンド模様ではなく、頭や背中にサークル状の模様が出る場合が多く、色合いもグラデーションのついた滲んだような柄になり、シッポもバンド模様ではなく、ベビー時には白地に多少の小さなドット(シッポの一番先に、特徴的な小さな黒いドットがあるものが多い)があり、成長するとシッポは、白地に多数の細かいドットが出る場合が多いです。共優性とも言われますが、特徴的なスーパー表現というものは確認されておらず、また優性ホモの場合は致死だという多数説もあります。ほとんどの個体に多少なりとも神経障害(何十匹もエニグマを見ましたが、ほぼノーマルと言えるレベルのものはいますが、全くないものは見たことがないですし、ノーマルレベルのものでも繁殖した子供にひどく出る場合もあります)があり、常に首を傾けていたり、クルクルと自転したり、視力の弱いもの等がいますが、神経障害が重いと思われるものでも、自分でエサを捕食し、飼育的にも繁殖的にも、問題が無い場合が多いです。他のモルフとの組み合わせで、変わった柄のものや、見た目には魅力的な色のものが出たりしますし、飼うことには何ら問題はないのですが、必ず出る神経障害について、どうしようもないレベルのものも出ることを考えると、個人的には、繁殖は制限した方がいいのではないかと考えます。

[ホワイト&イエロー]
エニグマと同じような表現になるモルフですが、エニグマのような神経障害は無いため、世界中で、今までエニグマのコンビで作られたモルフを、すべてホワイト&イエローに置き換えるような動きになっています。エニグマとは微妙に表現が違い、淡い色合いになる場合が多く、マックスノーとコンボにすると、より特徴的な変異が出るような気がしますが、ハイタン・ホワイト&イエローなどでは微妙な表現のものが多く、ブリーダーでさえホワイト&イエローかどうか判別するのが難しいモルフです。

下の図は、優性遺伝のマックスノー・エニグマ同士を掛け合わせた場合のパターン
(A・A’の遺伝子にマックスノーの遺伝子がヘテロで、B・B’の遺伝子にエニグマの遺伝子がヘテロで入ってるイメージ)ですが、劣性遺伝とは違って優性遺伝の場合は、次世代にそのモルフが一発で出るので、繁殖してそのモルフを出すのも簡単になります。

Iden06



【その他(未検証のモルフ)】
現在、すでに出回っているモルフの中でも、完全に劣性遺伝するのか(若しくは優性遺伝なのか)未検証のモルフですが、私の知識不足、情報不足の可能性もありますので、モルフの特徴や検証結果も、不明ということにしておいて下さい。

[アビシニアン]
なかなか微妙なモルフで、パラドックスアルビノの一種で、劣性遺伝するとトレンパー氏は言ってるみたいですが、エクリプス(ラプター)の系統から出たということで、エクリプスの特徴的な身体の模様(鼻先と頭が白抜けするとか、手足が白くなるとか)がエクリプスの目の変異と分離して現れたモルフ、というのはどうでしょう?

[ダイオライト]
マックスノーの系統から出たモルフですが、ドット模様が非常に細かく出るモルフで、マックスノーに特徴的に出て、スーパー表現でも出ることから、私はマックスノーの複対立遺伝子ではないかと思うのですが、ただのダイオライトとして販売されているハイイエローを見たことがあるので、マックスノーとは別の変異かも知れませんし、そのハイイエローがたまたまドットの細かい個体だっただけ(個体差の範囲で、ドットの細かい個体もいます)なのかも知れません。

[マーブルアイ]
エクリプスと似たモルフですが、エクリプスの虹彩の出る部分(黒や赤にならない部分)はノーマルと変わらないのですが、マーブルアイは虹彩の模様が、染み出したような、スプレーで吹き付けたような感じで疎らに出るようです。

[タンジェロ]
トレンパー氏の出したタンジェリンアルビノですが、トレンパー氏によると共優性遺伝するとのことで、スーパータンジェロはバンド模様にはならずに、サングローのようなパターンレスになるそうです。

[マックパステル]
マックスノーの系統で、淡い色合いになるもので、昔はマックスノーシブリング(マックスノーの遺伝子の入っていない、ただのノーマル)のことを、付加価値を付けるために言ったりしたこともありますが、個人的には、確かに特徴的に淡い色になるものが存在しますので、完全に分離して、検証出来ればいいと思っていますが、最近、マックスノーパステルとして、全く違う表現(少し黒っぽい、ダークなマックスノーでしたが)のものが出てて、これは違うやろって言いたくなりました。

かなりの量になってしまいましたが、基本的なモルフはそれほど多くないので、ここに書いたものを押さえておけば、レオパのモルフは理解出来ると思います。
尚、このブログで以前に書いたことと矛盾することを書いてるかも知れませんが、以前に書いたことは、私の勘違いか、理解不足だったとして、今回書いてることが、私が現在、理解していることだと思って下さいね・・・。

次回は、さらにややこしいコンボモルフについてです。

それでは、また

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