« 2016爬虫類市場・冬 | トップページ | ダイオライトについて2 »

ダイオライトについて1

「ヒョウモントカゲモドキのマーフィーパターンレス遺伝子座における複対立遺伝子の存在を確かめる研究」KAZ & N.O.氏 共同研究
 
1. ダイオライトについて
 ヒョウモントカゲモドキに於いて、通常の個体に成体時に現れるドット模様が細かくなるものを「ダイオライト」と言うモルフとされている。
 
 しかし、ダイオライトの遺伝形式については不明点が多く、ダイオライト同士を交配してもダイオライトにならない等、混乱しており、また、当初に安川先生がダイオライトとして発表したモルフと、現在出回っているダイオライト様の極細模様のものを、すべて同じものとして扱うのも微妙ではあるが、すべてのダイオライト様の極細模様のものを検証することも出来ない為、私たちが海外有名ブリーダーより入手したダイオライト♂について、繁殖し、検証することとした。
 
2. はじめに
 安川先生の発表したダイオライトは、スーパーマックスノー・ダイオライト(その個体について、安川先生に直接確認したところ、ヘテロマーフィーパターンレスでは無い、とのことでしたが)であり、私たちの入手したダイオライト♂もマックスノー・ダイオライトであった為、ダイオライトは、マックスノー遺伝子の変異ではないかとの仮定に基づき、2015年、ダイオライト♂とスーパーマックスノー♀、ハイタン♀、マックスノー・トレンパーアルビノ♀、とそれぞれ交配したところ、スーパーマックスノー2匹、マックスノー16匹、ハイタン8匹が得られたが、ドット模様については、すべてノーマル表現であり、ダイオライト様の極細模様のものは出なかった。
 
 同年、最後の交配として、ダイオライト♂とは別の海外有名ブリーダーがブリードしたとされるスーパーマックスノー・グラナイト♀(このグラナイトも微妙なモルフであるが、スーパーマックスノーの地の白い部分がグレーになっているものとされ、ドット模様についてはノーマルである)と交配したところ、スーパープラチナ(スーパーマックスノー・マーフィパターンレス)1匹、マックスノー・マーフィパターンレス1匹、スーパーマックスノー・ダイオライト2匹がハッチし、ダイオライト♂及びスーパーマックスノー・グラナイト♀は共にヘテロマーフィパターンレスであったことが確認できた。
 
W1310715 W1410615
C15228002 C15229002 C15235002 C15236002

その結果より、ダイオライトは、マックスノーに関連した遺伝的変異ではなく、マーフィパターンレスが現れた頃から、ヘテロマーフィパターンレスはドット模様が細かくなる、と言われていることもあり、マーフィパターンレスの対立遺伝子であって、マーフィパターンレス遺伝子と対になった時に、ダイオライトとなるのではないかと、新たに仮定することが出来た。

 マーフィパターンレス遺伝子をpa、ダイオライト遺伝子di、ノーマル遺伝子をn、とすると(本来、ダイオライト遺伝子をマーフィーパターンレスの対立遺伝子とすると、マーフィーパターンレスの記号の肩に乗数のようにダイオライトの記号を表記すべきであるが、表示させることが困難な為、簡易的にこの表記とします。)

 pa/pa マーフィパターンレス(ドット模様無し)
 n/pa ノーマル(ドット模様もノーマル)
 di/pa ダイオライト(極細模様)

と表現すると、ヘテロマーフィパターンレスのドット模様が必ずダイオライト様になる訳では無く、ノーマル様になるものがあることも理解出来る。

 また、マーフィパターンレス遺伝子がどのような仕組みで、体表に現れる模様を変異させているのかは不明であるが、マーフィパターンレスのハッチ時の独特な模様や、成長に伴い通常ノーマルに現れるドット模様が現れずにパターンレスになるということから、発生時にメラニンを生成する細胞の体表における分布状況を、凝集させるか分散させるかをコントロールするタンパク質(そのような物があるのかも不明だが、仮にメラニン細胞凝集タンパク質とする)の生成に係わる遺伝子に変異があると仮定する。

 ノーマル遺伝子は十分な量若しくは作用をするメラニン細胞凝集タンパク質を生成し、発生時にメラニン細胞を通常の大きさのドット模様になるまで凝集させるが、マーフィパターンレス遺伝子はメラニン細胞凝集タンパク質を全く生成出来ずに、メラニン細胞が体表全体に散ってしまい、全体がグレーになる、ということも考えらる。

 マーフィパターンレス遺伝子はノーマル遺伝子に対し劣性であり、ヘテロマーフィパターンレスに於いては、1つあるノーマル遺伝子が生成するメラニン細胞凝集タンパク質だけで、通常のドット模様を形成できるものと考えることが出来る。

 また、ダイオライト遺伝子は、メラニン細胞凝集タンパク質をノーマルに比べて少量若しくは少しの作用をするものを生成出来るとすれば、ノーマルのドット模様まで大きく凝集させることが出来ずに、細かいドット模様になるとも考えられ、そのことから、下記のようにも考察される。
 
 di/n ノーマル(ドット模様もノーマル)
 di/di ノーマル(ドット模様もノーマルor多少小さいドット模様)
 
 人類に於いては、体表にドット模様やストライプ模様などが出ることはない為、ノーマル状態で、メラニン細胞凝集タンパク質は生成されておらず、他の生物では、体表に様々な模様が表現される為、ノーマル状態でメラニン細胞凝集タンパク質が生成されているものと推測される。
 
 また、ネコの毛色に於ける「ダイリュート」と呼ばれる変異(黒がブルーに、茶色がクリーム色に変わる)は劣性遺伝とされ、メラニン細胞凝集タンパク質を生成されない状態の黒一色(茶色一色)の毛色表現の個体から、メラニン細胞凝集タンパク質を多少生成する状態に変異させ、ドット模様とまではいかないが、疎らにメラニン細胞を集める為、白色の毛と黒(又は茶色)の毛が混在することによって、淡い色合いに変化するとされており、ヒョウモントカゲモドキに於けるダイオライト遺伝子と同等のものでは無いか、とも推測出来る。
 

|

« 2016爬虫類市場・冬 | トップページ | ダイオライトについて2 »

コメント

KAZさん

暫くでございます。年の瀬ですねぇ~。
家の仔(SMS)を迎え入れる際にも検討したDioliteのご研究レポート、興味深く拝読させていただきました。夢が拡がりますね!これからのご発展に期待いたします。
貴殿は都会住まいのことと存じますが、インフルエンザにはご注意なさってくださいね。
新年のJRSでお会いできますのを楽しみにしております。佳いお年を。

遠州より Harry

投稿: Harry | 2016年12月29日 (木) 14時43分

Harryさん、明けましておめでとうございます。

私も、JRSでお会いできるのを、楽しみにしております。

他にもいっぱい(60匹くらい)連れて行きますので、他の子達も、ゆっくりと見て下さい。

投稿: KAZ | 2017年1月 2日 (月) 12時41分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 2016爬虫類市場・冬 | トップページ | ダイオライトについて2 »